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「生ビール」とそうじゃないビールの違い

豆知識

日本では居酒屋などで飲める樽詰めのビールを「生ビール」と呼ぶ習慣が根強くあり、「生ビール」に対するものとして、「缶ビール」「瓶ビール」と思っている人が多数います。これは正しいのでしょうか。

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「生ビール」とは

樽・瓶・缶ビール

ビールは以下のような工程で作られます。

  1. 製麦工程(麦芽作り)
  2. 麦芽粉砕
  3. 糖化とろ過
  4. 麦汁の煮沸
  5. 冷却
  6. 発酵(主発酵)
  7. 熟成(後発酵/二次発酵)
  8. ろ過、熱処理
  9. パッケージング

製造工程の詳細はこちら

ここで注目は、8番目の「ろ過、熱処理」工程です。この工程で熱処理を行ったビールを「熱処理ビール」と呼び、熱処理を行わないビールを「生ビール」と呼びます
熱処理を行う理由は主に次の2つです。

①酵母の働きを止める
②殺菌

昔はろ過によって完全に酵母を取り除く技術がなかったため、熱処理によって酵母の働きを止めた「熱処理ビール」が主流でした。飲食店では「生ビール」であることが宣伝文句になる時代があったのです。しかし、現在は醸造技術の向上で、ろ過により酵母を完全に除去できるようになったため、熱処理をしない「生ビール(非熱処理ビール)」が主流になりました。缶ビールも、瓶ビールも、樽詰めビールも、熱処理を行っていなければ、詰める容器が異なるだけで中身は同じ「生ビール」なのです。

ビールの表示について

生ビールの表示

飲食店で飲める樽詰めビールで「生ビール」でないものも存在します。輸入の樽詰めビールで、樽に「pasteurized:パストライズド」と書かれたものがありますが、これは「熱処理ビールの樽詰め」です。樽詰めビールは英語で「ケグ・ビア」で、グラスに注ぎ出されたものが「ドラフト・ビア」です。世界的には「ドラフト・ビア」は「生ビール」とは限りません。ただし、日本では「ビールの表示に関する公正競争規約」で「ドラフトビール」と「生ビール」は同一視されています。

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