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ビール作りに欠かせないホップについて

ホップ 豆知識

ホップは、ビール独特の苦味や香りを出すビール作りに欠かせない原料です。仕込の煮沸工程で添加され、使用する種類だけでなく、使用量や添加するタイミングによってもビールの味や香りに大きく影響を与えます。

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ホップとは

ホップ農園

ホップはアサ科カラハナソウ属のつる性多年生植物の一種です。つるを巻き付けながら7~8メートル程の高さにまで成長します。
ホップは、雄株と雌株が別々の植物で、ビール作りには未授精の雌株の花を使います。この花は生育すると「松かさ」に似た球状になることから「球花」と呼ばれます。球花は植物学的には「球果」と表記されますが、「球花」「毬果」「毬花」などのいくつかの表記も使用されます。ビール特有の苦味や香りを与える樹脂や精油は、この球花の中にあるルプリンと呼ばれる器官に由来します。ルプリンは球花の成熟とともに、1枚1枚の苞(ほう)の付け根に黄色い粒として確認できるようになります。
ホップには、苦味や香り以外に催眠鎮静作用や利尿作用、食欲増進、消化促進作用があると言われています。

ホップの5つの役割

ホップとビール

ビールに「苦味」を付ける

苦味を作り出す成分で特に重要なのが、アルファ酸です。アルファ酸は仕込の煮沸工程において、熱変化によりイソアルファ酸になります。アルファ酸の状態では苦味はそれほどありませんが、イソアルファ酸に変化するとビール特有の爽快な苦味を持つようになります。

ビールに「香り」を付ける

ホップはビールに苦味を付けるだけでなく香りも付けてくれます。ビールに香りを付けるのが得意なホップは「アロマホップ」と呼ばれます。

ビールの「泡の形成」や「泡持ち」を良くする

イソアルファ酸は、麦芽由来のタンパク質と共にビールの泡の形成や泡持ちにも影響する重要な成分です。ホップをたくさん使用したビール程、泡持ちが良くなると言われています。

ビールの「殺菌効果」を高める

ホップの成分には殺菌作用があり、雑菌の繁殖を抑える働きがあります。IPA(インディアペールエール)というビアスタイルは、18世紀末頃、イギリスからインドにビールを輸送する際、ビールの劣化を防ぐために殺菌作用のあるホップを大量に使用し、アルコール度数を高めにしたことに由来します。

ビールを「清澄化」する

ホップに含まれるポリフェノールには、麦芽由来のタンパク質と結合して沈殿することで、ビールを清澄化する働きがあります。ビールの混濁につながる可能性のある過剰なタンパク質を除去するための重要な働きです。

代表的なホップの種類・品種

ホップの球花

ビール用のホップとして、100種類以上もの品種が世界中で栽培されています。ホップの栽培地は、ドイツとアメリカが二大産地で、次いでチェコ、中国が続きます。日本では北海道、青森県、岩手県、秋田県、山形県で栽培されています。

カスケード(アメリカ)

アメリカの代表的なホップです。1972年にリリースされ、グレープフルーツなどのスパイシーな柑橘系の香りが特徴です。「アメリカンホップ=華やかな香り」というイメージを創りあげました。

シトラ(アメリカ)

アメリカ産のホップで、その名前が示すように、強い柑橘系の香りを有するホップです。シトラス、グレープフルール、ライム、トロピカルフルーツの様な華やかな香りが特徴です。

モザイク(アメリカ)

2012年にリリースされた比較的新しいホップです。クリーンな風味を持ち、マンゴーやパパイヤを思わせる、トロピカルフルーツのようなすこし甘味のあるフルーティーさが特徴です。

ザーツ(チェコ)

チェコ産のホップです。数百年にわたって使われ続けているホップで、ボヘミアンラガーやピルスナーに多く使用されています。日本の数多くのビールにも使用されていることで知られているホップです。

モザイク(ドイツ)

ドイツ産のホップで、苦味成分が強く、ビタリング向けです。アメリカでも生産されていますが、香りはドイツ産の方が強く、リンゴやスパイシーな香りが特徴的です。

IBUKI(日本)

日本産のアロマホップです。柑橘系に近い華やかな香りがとても強く、主張が強いホップです。フレッシュな香りが表現できると高い評価を受けています。

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